以前のブログで書いたのですが、
僕は勉強が嫌いだったので、就職する道を選びました。
僕は理解をするのが遅かったので、勉強が嫌いだったのかもしれません。
就職して製造業に進んだ僕は、技術開発の部署に配属されました。
その部署は、新しい技術を開発して製品開発に引き継いでいくことが役割で、新しい技術を取り入れていくためには、勉強が必要だったのです。
しかし、個々の技術の深いところに入って行こうとすると、僕にとっては難しくて理解が進まないという状況がありました。
組織での勉強会もあり、ありがたいことでしたが、周りの人が理解するスピードには追いつけず、一緒に入社した同期にも後れを取るという焦りもありました。
それを見かねたのでしょうか、当時の上司は個々の技術を探求していくことではなく、個々の技術を統合していく、どちらかと言うと全体を見る立場に充てくれたのです。
まとめ役みたいなものですね、これなら個々の技術の理解が追いつかなくてもできますからね。
その上司は口も悪くとても怖かったのですが、やはり個人の適性を見ていたんでしょうね。これはありがたかったです。
でも、その上司はやはり怖く、いつも怒鳴られていました。周りのスピードについていけない僕は、このままやっていけるんだろうかと考えることも多く、会社を辞めたいと思ったこともありましたが、実際に辞めることはありませんでした。
実際に辞めるという気にならなかったのは、なぜだろう?と考えてみたのですが、現在と比べて違っていたことがありました。
それは「理想の未来」、つまり「夢」なんです。
その上司には夢があったんです。
「この技術を使って世の中のアナログ製品をデジタル製品に変えていくんだ」という明確でわかりやすい夢があったのです。
だからそのためには、「これとこれとこれをやって行けば先が見えてくるだろう」ととても明確だったわけです。
当時の僕も、一応はその業界で役に立ちたいと思って入社したので、その上司の夢は理解の遅い僕でも理解でき共感できたのです。
共感できるからこそ、怒られても何とかやって来ることができたのかもしれません。
一方で、現在の製造業は非常に混沌としていて物を作ってもなかなか売れない時代です。
だから会社が、上司が、進むべき方向を夢として「〇〇分野でNo.1になろう」と語ったてもとしても、何をしたらNo.1になれるのか、何に手をつけたらよいのか、非常にわかりづらいのです。
それを上手くブレイクダウンしてわかりやすい夢にできたら、みんなもついて行きやすいんでしょうけど、難しい時代になっています。
これは上司が悪いとかそういう話ではなくて、上司でさえ難しい時代なんです。
つまり、昔に比べると現在の会社では「夢」を与えてもらえにくいのです。
そういう意味で、何をやったら正解っていうのが非常に分かりづらいし、正解は1つだけではない。
だからこそ、今の時代は「自分はこうしたい」という夢を自分で決めて進むことが大切なんだとわかったのです。
会社の中で自分はこうしたいという夢を持つのもいいでしょうし、会社に関係なく自分はこうしていくんだという夢を持って行くのも良いでしょう。
そして、気が弱くて、めんどくさがりで、理解が遅い僕には、自分が理解できるシンプルな夢にしておくことが大切だと実感しています。