起業・副業しようと始めたのにどうしても進まない、スタートの地点で足踏みをしてしまっているということは、実はよく起こることです。
起業・副業のノウハウを学んで、自分発信をするためにブログを書こうとしても、何かを言い訳にして行動できず先送りにしてしまい、起業が進まないという焦りになっているのには理由があります。
起業・副業が進まないその理由は、
- 何がやりたいのかわからない
- 何が必要なのかわからない
- リスクに敏感
- 論理的思考が苦手
が挙げられるのですが、これらに共通して言える原因は”自己否定感”だったのです。
自己否定感の反対、自己肯定感を高めることこそ起業・副業を進めるためのキーなのです。自己肯定感を高める対策をまとめています。
この記事が参考となれば幸いです。
サラリーマンから起業を目指すときに起こりがちなこと
何がやりたいのかわからない
起業・副業しようと決めてもその活動が進まないということは起こりがちです。起こりがちなひとつの状態は、ノウハウを学んだのに進まないということなのですが、突き詰めると何がやりたいかわからない状態なのです。
何がやりたいかわからないし、何から手をつけたらいいかわからないから、最初はやり方を学ぶ必要があると思って、集客セミナーやマーケティングセミナーに参加して学びに行くのです。
そういったセミナーの中では、
- 起業・副業する目的は何か?
- ビジネスのテーマを何にするのか?
- やりたいことをやって生きよう
- 自分の強みは何か?自分の得意なことは何か?
- 必要なリソースは何か?
- 先を行く人をモデリングして真似てみる
- とにかくやってみよう
- ブログやメルマガ等のツールの使い方
- ブログやメルマガ等の書き方
などなど、
様々な話を聞き、実行していくためのノウハウを学びます。
これらのノウハウは、これはこれで学ぶことはとても大切なことです。
でも実際に、
自分の事としてやってみようとすると、手を付けられなかったり、着手しても何も案が出てこない、という状況で進めないのです。
やりたいことをやって生きよう!
これ、本当にそうありたいと思うし、やりたいことでビジネスができたらどんなに素敵だろうと思うのです。
でも、自分のやりたいことって何?
と問いかけても、美味しいもの食べたいとか、楽しいことして生きたいとか、は出てきても、もう少し具体的にしていこうとすると「えーっと、何だろう?」と何も出てこなくなってしまいます。
自分のやりたいことが何も出てこないということはよく起こりがちで、セミナー講師などからは、「進めていくうちにだんだんとわかってくるから、まずはやってみてフィードバックを得ることだよ」とアドバイスを受けます。
「よし、とにかくやってみよう」と気を取り直して、
ビジネステーマを仮決めして、まず、ブログの発信だ!、ブログを書かなきゃ!、そのうちメルマガもやらなきゃ!、と取り組もうとするのですが、気持ちだけが空回りして進めないという壁に当たります。
このビジネステーマで何がしたいのだろう?、ブログに何を書いたらいいのだろう?、ブログも書いていないのに、ましてやメルマガの発行なんてできない、という状態になっていきます。
結局、会社の業務が忙しくて疲れているから明日にしよう、家事が大変だったので身が入らない、と言い訳が入り進まないという状態になってしまいます。
これらの”進まない”は、何がやりたいのかわからない、少なくともやってみてもいいかなと思えていないことから起こっていることなのです。
これは誰もが陥りやすい問題ですが、中にはそれほどやりたいことでなくとも仮決めでも決めたらそれに向かって突き進めるストイックな人もいます。
ただ、突き進める人でももし頑張りでそれを進めているとしたら、いずれどこかで心折れてしまうという危険性があるのです。
何が必要なのかわからない
起業・副業しようと決めてもその活動が進まないときに起こりがちな2つ目の状態は、何が必要なのかわからないという状態です。
起業・副業を進めるにあたっては、最初から組織で活動するわけではなく、独りで始めることがほとんどです。ということは、企画・商品開発・営業・経理、そして経営、これらをすべて自分でやっていかなくてはならない。
これからお金が入ってくるんだから帳簿をつけなければいけない、確定申告もしなければいけない、でもそれってどうやるんだろう?という不安が出てきたりします。
他にも、私はパソコンが苦手だからいろんなツールを使って進めていくことはできるのだろうか?などという不安なども考え出したりします。
と考え始めると、知らなければならないことがありすぎると、複雑に考えてパニックになっているかもしれません。
このように、起業・副業を始めるにあたっての様々な不安をいろいろと考えてしまい、まずはそれをクリアにしないと進めないのではないかと複雑に考えて、答えを出せないままやる気が起こらないという状態になっているのです。
これは、最初に何が必要かわからない状態になっているからなのです。
リスクに敏感
起業・副業しようと決めてもその活動が進まないときに起こりがちな3つ目の状態は、内向的な性格でリスクに敏感という状態です。
内向的な人は自分に自信が持てなかったり、他人の顔色をうかがったりして、なかなか自分から行動することができないのです。つまり、他人の目線や他人からの評価を気にしてしまうということですね。
そして、内向的な人は細かいことによく気づきます。リスクなどにも敏感です。そのため、意外と完璧主義だったりします。
すべての準備がしっかり完全に整ってからでないと発表できないと考えるのです。
つまり他人の目を気にして、完璧にしなければならないという思いから、足りないところにばかり目が行ってしまい、足りないところを埋めても、また足りないところが見つかって、いつまでたっても埋められない自分に苛立ち、自分はダメだと自分責めをしてしまうのです。
また別の側面では、自分が起業・副業していることを友達が知ったら何を言われるだろう、「やめとけ」と言われるかもしれない。言われるのは辛いななどと考えてしまうこともあるかもしれません。
この状況ではなかなか進むことができません。
しまいにはできそうもないと思えてきて悲観してしまうのです。
論理的思考が苦手
起業・副業しようと決めてもその活動が進まないときに起こりがちな4つ目の状態は、体感覚優位で論理的思考が苦手な状態だからかもしれません。
体感覚優位という言葉は聞きなれないかもしれません。
人は、情報を理解したり、何かを表現する際に、優位に使う感覚を持っています。その感覚は、視覚、聴覚、体感覚(触覚/味覚/嗅覚)の3つに分けることができます。
心理学または心理療法のひとつであるNLP(神経言語プログラミング)では、視覚優位(V)、聴覚優位(A)、体感覚優位(K)と呼んでいます。
視覚優位の人は、見たことの情報からイメージで理解し、イメージ的な表現をします。
聴覚優位の人は、聞いたことの情報から音や文字として理解し、論理的な表現をします。
体感覚優位の人は、体感したことの情報から理解し、感覚的な表現をします。
会社では聴覚優位の人が多い、というよりは聴覚優位であることが求められます。
それはホウレンソウ(報連相)が大事と言われるように、言葉での論理的なやり取りが主になることから、どうしても聴覚優位であるように多少なりとも訓練されるのです。
なので、視覚優位の人はイメージで理解し、パッパッと思考が展開していくために、その思考結果だけを表現すると、時々突飛なことを言っているように聞こえ、周囲を混乱させることもあります。
一方、体感覚優位の人は、体感をして理解をしていくので、触れたり嗅いだり経験をすることで理解をしていくため、時間を必要とする場合があります。そのため、視覚優位な人から早口で喋られたり、聴覚優位な人から論理的に喋られても、すぐに理解できない場合があります。
そのため、体感覚優位の人は会社という組織活動についていけず、辛いと感じる場合もあるのです。ただ、通常はこの優位感覚について知らないことの方が多く、気づいていないが故に「何か生き辛い」という思いになっていることが多いのだと思います。
会社を例に3つの優位感覚の違いを説明しましたが、起業・副業においては一人で進めていく場合には、自分の優位感覚を大切にして進めていくことができます。
しかし、体感覚優位の人の場合、起業塾やセミナーでノウハウを学んでも、耳で聞いただけでは実際に経験として体感できているわけではないので、自分のやるべきこととして理解ができないことがままおきます。
そして、何度聞いても自分は進められないダメな奴だと、自分責めを始めてしまうのです。多くの場合、自分が体感覚優位であることに気づいていないために起こってしまうのです。
これら4つの状態は、よく起きることなんです。
これらの状態の本質にある原因を知って対策をすればいいだけなのです。次の章で説明をしていきます。
起業・副業が進まない本当の原因と対策
「できない」ことを予想している
前の章では起業・副業が進まない状態として、「何がやりたいのかわからない」、「何が必要なのかわからない」、「リスクに敏感」、「論理的思考が苦手」の4つの状態をお話ししました。
ここではそのような進まない状態ができてしまう、本当の原因についてお話をしていきます。
まず1つ目の「何がやりたいのかわからない」ですが、ノウハウを学んだのに進まないのは突き詰めると何がやりたいのかわからないということでした。
ノウハウを学んだのに進めない直接的な原因は色々とあります。
例えば、パソコンが苦手なのでツールの使用説明を聞いてもよく理解できないから進められない。
または、目標となる仕事をスモールステップに分けて、自分が進んで行ける具体的な作業に落とし込めていないということがあります。
または、そのビジネスの対象となるお客さんの悩みをちゃんと把握できないということもあります。
しかし、ツールの使い方だったら最初はできる人に助けてもらえばできるようになっていくし、具体的な作業に落とし込むのが苦手であればセミナー講師の知恵を借りることができます。
お客さんの悩みについては、友達知人から話を聞いたり、ネット上で調べたりすることはできるはずなのです。
それなのに進めないということは、自分がそれをやりたいと思えているか、それがやりたいことなのか、というところに行き着くのです。
ということは「自分のやりたいことがわかるまで、起業・副業はできないってことじゃん」と思われるかもしれませんが、そういうことではありません。
やりたいことが分かってるという人でも、実は本当はこっちのことをやりたかったんだと途中で気づき、目標を変化させていくということはよくあることです。
なので、やりたいことがバシッと決まっていなくても、こっちの方向に行きたいんだというぐらいの気持ちでもいいわけです。
こっちの方向に行きたいということに厳密性は要りません。そこに私にはできないかもという意識は必要ありません。自分にはそれができたら楽しそうだと思えるだけで良いのです。
ビジネステーマを仮決めするときに、こっちの方向に行きたいということで決められるとよいのですが、それさえもわからずに決められないということが起こっています。
これまで長年に渡って刷り込まれてきた思い込みにより、「できないかも」という予測をしてしまうことで、 こっちの方向ということさえも無意識のうちに選択肢から外してしまっているのです。
それは「できないかも」という自分への否定感を持っていることが原因となっています。
知識不足の自分を責めている
そして2つ目の「何が必要なのかわからない」については、帳簿のつけ方や確定申告の仕方といった自分にないスキルや知識のことを心配していますが、税理士・会計士という方たちがいるので相談することができます。
必要なことは誰かに聞けばわかるのですが、人に頼ってはいけない、自分でできるようにならなければならない、といった長年に渡って刷り込まれてきた思い込みによって、それができない状態になっています。
知識不足、自分でできないことを無意識のうちに自分責めてしまっているのですね。これも自分への否定感を持っていることが原因となっています。
リスクを見すぎて不安で動けない
そして3つ目の「リスクに敏感」です。
リスクに敏感なのは内向的な性格な人に多くみられます。内向的な人は細かいことに気づいたり、リスクに気づいたりできるという能力に長けていて、起業・副業を進める上において本来とても有利な特長なのです。
ですが、本人からすると、些細なことを気にする自分は器が小さい、リスクばかりが目につきおじけついて行動がとれない、他人からもそんなことで進められるの?と思われていそうだ、という「ダメだ、ダメだ」とネガティブな方向付けをしてしまうために動けなくなってしまいます。
ここでも自分責めをしてしまい、自分への否定感を持っていることが原因となっています。
経験しないと理解できない
そして4つ目の「論理的思考が苦手」という状況は、体感覚優位だからかもしれないとお話ししました。
自分が体感覚優位だということに気づいていれば良いのですが、一般的にはそのような言葉も知らないし、意識したこともないのが普通です。
体感覚優位は経験しないと理解できないタイプなので、往々にして理解するのに時間がかかります。でも、自分が体感覚優位であることに気づいていないだけに、なかなか理解が進まない自分はダメだと自分責めをすることにつながっていきます。
これも自分への否定感を持っていることが原因となっています。
すべての原因の対策は自己肯定感
これら4つの進まない状態において共通しているのは、自分への否定感、つまり自己否定感を持ってしまっているということ、それが進まない根っこの原因なのです。
でも、この自己否定感は、子供の頃から親や学校を通じてされた教育、また会社の人間関係、の中で知らず知らずのうちに刷り込まれてきたものなので、誰が悪いということではありませんが、あなたが悪いわけでもありません。
日本の文化が謙遜を美徳とする文化であることもこの自己否定感を増長する原因となっているのかもしれません。
この自己否定感というのは、上手くいったことは自分の手柄ではない、失敗したのは自分がいたからだ、と自分を蔑んでしまっている感覚です。
ではその対策はどうすればいいのかというと、自己否定感の反対である自己肯定感を高めるということです。
自己肯定感とは、自分を認めてあげる感覚です。自分の良いところを認めてあげるということだけでなく、自分の悪いところ・できないところについても認めてあげるということなのです。
自分の悪いところを自分責めするのではなく、そういう悪いところもあるのだと認めてあげる。これが大切になっていきます。
自己肯定感を高めるとすべてが好転する理由
では自己肯定感を高めることがなぜ大切なのか?をもう少しお話ししていきます。
自己肯定感が高くなった状態というのは、自分の良いところも悪いところも全てを認めてあげられるという状態です。言い換えれば、ありのままの自分を見てあげられる状態ということが言えます。
ありのままの自分を見てあげられる状態になると、例えば過去の出来事思い出す時に、「あの時は嫌だったよなぁ。これで失敗したんだよなぁ」とネガティブなことばかりを思い出しがちだったのが、「でも、それで楽しい思いもしたんだよな」とか「嬉しいこともけっこうあったよな」とか良い面にも焦点をあてて思い出せるようになります。
また別の例で言えば、自分はあの時こんなことができていた、だからこういうことは得意なんじゃないかということを素直に認めてあげることができる。これが自己肯定感が低い状態で考えている場合には、いやいやこんなレベルではまだ駄目だと思ってしまい得意かもと思うことすらできなかったわけです。
つまり、これまでネガティブなどちらかと言うと悲観的な見方しかできなくて、自分のいいところをこんなレベルではだめだと勝手に蓋をして見ないようにしてきたことが、こんなレベルかもしれないけれど「できていた」良い点として気づけるようになるのです。
自己肯定感が高い状態になると、何がやりたいのかわからないと思っていたことも、「こういうことはやりたかったのかな」ということに気づきやすくなってきます。
そして過去いろんな失敗をしてきたことが、それらがあったからこそ今の自分があり、今に活きているということに気づき、自分を素直に認めることができ、過去の失敗談などもブログのネタにできるようになります。
何が必要なのかわからないと思っていたことも、たとえば帳簿の付け方や確定申告の仕方は今はわからないけれど、それは得意な誰かに聞こう、まずは自分の得意なところを進めようという方向に意識を向けることが出来ていきます。
リスクに敏感ということでは、細かいことに気づく・リスクに気づくという点を今まではネガティブに感じていたかもしれません。でも、これは起こりうることを事前に察知できるという点で、とても有利な特長だったんだと気づければ、事前に改善・対策することができ、安心して進んでいけるようになるのです。
論理的思考が苦手ということでは、体感覚優位なのかもしれないということをお話ししました。これまでは体感覚優位ということに気づかず、辛い思いだけがあったかもしれませんが、自分をありのままに認めてあげられる状態ならば、体感覚優位だと気づいていなくとも、今の自分を大事に進めていけばよいという心持になります。
特に体感覚優位の人は、自分が感じている感情をよくわかってあげられるので、感情と相談しながら次に取る行動を決めて行けるようになります。
自己肯定感が高まるとは、自分が自分のことを認めてあげる感覚であり、他人からどう認められているかとは無関係です。
これまでサラリーマンをしてきた方は、他人からどう思われるか、どう評価されるかばかりを気にしてきて、できる他人とできない自分を比較して自分はダメだと思うことが多かったはずです。
他人との比較をするのではなく、自分自身を素直に肯定的に見てあげることで、無意識のうちにフタをして見ないようにしてきた自分の好きなこと・やりたいこと・得意なことが見えてくるようになります。
自己肯定感を高める方法
さて、そうは言っても自己肯定感を高めるって難しいんじゃないの?と思っているかもしれません。
自己肯定感を高めるための有効な方法についていくつかお伝えをしていきますね。
1)自分を褒める・他人を褒める
毎日少しずつでもよいので、自分を褒めてみましょう。重複なしで100個以上褒めてあげてください。同様に、パートナーでも上司でも誰か一人を決めて、その人を褒めてみましょう。その人に伝える必要はありませんが、100個以上褒めてあげてください。
他人を褒めた内容も自分への褒めポイントとして受け取ってみてください。
気づかなった自分を認めることにつながりますよ。
2)安全と思う環境で自己開示をしていく
自分がいて安全と思える仲間、例えば仲の良い友達や起業・副業の仲間に、自分の弱さや失敗したことを開示してみましょう。または、匿名のブログで綴ってみるのも良いかもしれません。
弱さや失敗を開示されると、人は共感したり応援してくれます。そんな自分でもいいんだと気づかせてくれます。
3)過去の失敗・嫌なことを書き出してみる
過去の触れたくないと思っていた記憶を書き出してみましょう。なぜ嫌だったのか、触れたくないのかを見直してみると、意外ともう大した事ないことになっているかもしれません。
まだくすぶっていると思うことであれば、そのときの感情を思い出して、その感情を感じ尽くしてください。それだけでスッキリするかもしれません。
4)褒められたことは素直に受け取る
人から褒められたら、「いやいや、そんなことはないです」と言わず、「ありがとうございます」と言って素直に受け取りましょう。
5)鏡を見ながら笑顔を作る
お風呂上りなどに鏡に向かって微笑んでみましょう。「かっこいいね」「可愛いね」と声をかけてあげるのもいいでしょう。誰も見ていませんので、照れずにやってみるのです。
6)塞翁が馬の体験をする
中国の故事に「人間万事塞翁が馬」がありますが、誰もが塞翁が馬を経験をしながら生きています。その経験をしながら人生が豊かな方向へ進んでいると思えれば、ばっちりです。
意識的に塞翁が馬の体験をしてみることで自己肯定感は高まります。
自己肯定感を高めるいくつかの方法を挙げましたが、やってみて自分がやりやすいなと思う方法でやっていくのが一番です。
やりにくいと思っていてやり続けるのは義務感を増長することにしかなりません。
そして何よりも大切なことは、その自己肯定感を体で感じることとなんです。
自己肯定感に取り組んだ人の成功事例
A美さんは学校の教師をされていました。真面目でやさしくて、学校でも家庭でも何事に対しても熱心に取り組む方です。間違ったことにはストレートに立ち向かいたいと思う一方で、上司や周りの圧力に屈せざるをおえず、ストレスを抱えることもありました。
そんなA美さんは、自分のお子さんにはいつも厳しく、やさしい言葉をかけたことはありません。あるとき生徒さんを不慮の事故で亡くしてしまうという出来事があり、自分は何もできなかったと責め続けていました。
そんなことから、もっと生徒や子供の悩みを聴かなくてはと取り組もうと、残業も厭わず働くものの、周囲の教員からは協力が得られず、さらに落ち込んでいくという状態でした。
A美さんには、最初は自分や他人を褒めるワークから取り組んでもらったのです。徐々に、自分にはこんな良いところがあると気づくようになりました。
自己開示や過去の失敗や嫌なことを書き出してもらううちに、母親に自分がされてきたことを子供に投影して同じようにしていることに気づいたり、自分を責め続ける必要がないことに気づき、自分への否定感が解けていきました。そうすると、自分にとって嫌だと思っていた人が去っていなくなり、自分にとって好ましい人が現れ、周囲の環境が変わっていったのです。そして、残業をしなくとも良い環境になったのです。
そして進めたくとも悶々としていた生徒の悩みを聴くという取り組みは、教師でなくてもできる!と自らカウンセラーになるべく起業に向けて、以前残業していた時間は起業活動に充てられるようになったのです。
塞翁が馬の体験をすることで、自分の中に自分を応援する分身がいることもわかり、ちょっと落ちそうだなと思うとその分身が出てきて、自分は大丈夫となるそうです。自分らしく起業活動に取り組んでいらっしゃいます。
頭の理解だけではなく、体の中から湧き上がる自己肯定の感覚を感じるということが大切です。一度その感覚を味わっておけば、ちょっと落ちてるかなと思った時にその感覚に立ち戻ってあげるということができるようになります。
そしてそれを感じられたとき、起業活動が進んでいくことを実感できるようになります。